2019年 06月 15日
ちゅん太の友達
オレ、ちゅん太。
父ちゃん、母ちゃんと妹が3羽。
これが、オレの家族。
毎日、太陽が昇って
辺りが明るくなり始めると
あちこち飛び回って
エサを探しに行くのがオレの日課。
最近、オレンジ色の屋根の新しいおうちに
誰かが引っ越してきたんだ。
小さな女の子がいる。
どんな子か知りたくて
ソロソロと見に行ってみたんだ。
そしたら、急に大きな手が出てきて
白くてふわふわとした
うまそうな臭いがする固まりが
バラバラと落ちてきたんだ!
びっくりして、慌てて飛びたったよ。
力いっぱい急上昇した。
そうしたら、オレよりちょっと大きくて、
太陽の光に当たると
ツヤツヤと光る羽をもった奴と
ぶつかりそうになった。
ヤツの羽は大きくて、
飛ぶのも力強くて
速いんだ。
「すごいな」
次の瞬間、そいつがオレに話しかけてきた。
「急に飛び上がってきて、危ないじゃないか。
おまえ、体は小さいのに
随分高くまで飛べるんだな。
ぼくと友達にならないか?
一緒に遊ぼうよ。」
オレは、そいつと友達になることにした。
次の日から、夜が明けると
一緒にえさを探しに出掛けた。
一緒に高く舞い上がっては、
色紙を散りばめたみたいに
遠くまで広がる沢山の屋根や
忙しく動き回る自動車や
あっという間の速さで通り過ぎる電車を、
目をクルクル動かしながら、何回も見た。
オレンジ色の、あの子の家の屋根も
きれいに見えた。
そんな景色を見ているのは
楽しくて、嬉しかった。
あいつは口癖のように
いつもこう言っていた。
いつもこう言っていた。
「地面から高い橋の上にある
どこまでも伸びて続いている
2本の茶色い線の上を走る
電車。
速くてカッコいいあの電車が
オレは大好きなんだ。
いつかもっと近くに行って
じっくりと見てみたいんだ」
昨日、あの子の家に一緒に行ってきた。
フワフワした白い固まりを、
一緒に食べた。
うまかったなぁ~
もっと食べたかったから
明日も一緒に行こう、って
約束したんだ。
「またな」って言って、別れたよ。
でも、あいつは来ないんだ。
もう、先に行っちゃったのかなって思って
あの子の家の庭に入ってみたけれど
いなかった。
どうしたのかと思っていたら、
家の中から
慌ただしい声が聞こえてきた。
「台千駅と流布川駅の間で停電が起こり
新幹線が線路上で急停車しました。
鳥が衝突した模様です。
ただ今、職員が現地に向かい
復旧に向けて作業を始めました。
沢山の乗客は・・・」
うそだろ!
あいつじゃないよな。
なんなんだよ!
早く、帰ってこいよ!
早く・・・
早く・・・
by aiotsunaide
| 2019-06-15 00:08
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