2019年 12月 12日
4:07発
煌々と暮明を照らす
丸いヘッドライトの光。
数時間前から降り続く
新雪の欠片を
その光で包みながら
流線形の11の車両が
ぐんぐんと迫り来る。
今日は特に
走行音が静かで、
規則正しく並ぶ窓には
暖かみのある
燈色の明かりが灯っていた。
丸い大きな光が
線に変化した。
僅かに車体をバンクさせて
高架の緩いカーブを
滑り込むような速い速度で
進入する。
微かに伺える
車両のデザイン。
その静かな高速車両は、
雪煙を後方に舞上げて
颯爽と走り去って行った
この列車は、
ひとの叡智と
その先に生まれた技術の束が
暖光を纏い現れて、
ひとの歩みが行き交う様を
加速度的に助長させていく
移動体だ。
もし、その列車に
乗ることが許されたなら、
叶わなかった思いや
後悔したあの出来事や
絶望に近い行止まりを
新雪の欠片の如く蹴り散らして、
黄金の灯りが点る終着駅へと
きっと
誘ってくれるに違いない。
その列車は今日も
定刻で
駅を離れて行った。
by aiotsunaide
| 2019-12-12 08:28
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