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松島と写真展

先日、ある小さな写真展に訪れた。
JR仙石線の仙台ー苦竹駅間が
地下化されてから20年経つにあたって、
まだ地上を走っていた頃の写真に集約した
写真展である。
そこには、現役のクモハ40系の姿や
昭和時代のレトロなホームの様子などがあり、
鉄道とモータリゼーションの歴史と共に
この仙石線も変化していったことが
手に取るように知ることができた。

JR仙石線沿線の見所といえば
何と言っても「松島」が思い浮かぶ。
波に打たれて形成された岩肌と
永きに亘って生き永らえる松が
湾内に島として散在しており、
海と空と島が
時間や季節と共にり移り変わる有り様を
ダイナミックに体感することができる
景勝地ではないだろうか。

松島海岸を中心に
取り囲むように広がった丘陵の要所に、
松島の展望を堪能できる場所がいくつかある。
“西行戻しの松”がある公園も
そのひとつである。
そこからは、
名勝松島を形作る島々が一望できて、
頻繁に行き交う遊覧船と
その背後にできる
尻尾のような白波を眺めていると、
つい、時が経つのを忘れてしまう。

「西行はなぜここで戻されたのだろう」
景色を眺めていると
ぽっかりとそんな疑問が湧いてきた。
調べてみると、こんなことが書かれてある。
“修行僧であった西行が陸奥国平泉へ向かう途中に
松島へ立ち寄ろうとここまで登ってきて、
松の木の下で
童子に扮した松島の地神から禅問答を挑まれたが
名答できず、
「これでは松島へは向かわない方がよい。
松島には優秀な僧侶ばかりいて
恥ずかしい思いをするばかりだから、
ここで戻りなさい」と促されたのだ...”


さて、写真展には
当時のことを説明してくださる
ボランティアの老人がいらした。
ひとつひとつの写真に対して
詳しく解説をしてくださり
当時の様子が映像を見ているかのように理解できた。
話を伺っていくと、
ある写真から派生して
戦争直後の
当時を知る方でなければ
知り得ないであろと思われる話を
聞かせて頂くことができた。
そのとたん、
それまではテンポ良く相槌を打ち
さりげなく交わせた会話も
全く出来なくなってしまった。

その後も解説は変わりなく続き、
次回のイベントの案内もしてくださった。
ただ、これまでに知り得なかった
仙石線の、鉄道の歴史の
奥深さと新たな魅力に触れた時、
あの松の木の下での
修行僧西行の思いに
少しだけ寄り添えたような気がした。


松島と写真展_e0416525_12253744.jpg












“西行戻しの松公園”は
JR仙石線松島海岸駅から
徒歩で行くことができるが、
その道は上り坂となっている。





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by aiotsunaide | 2020-11-23 13:10 | | Comments(0)

藍と共に観る路線風景


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