2021年 01月 19日
時計
16:03発の
新函館北斗行きの列車が
到着するまでには
まだ40分程ある…。
手土産など必要のない旅だが
改札口の横にある土産物屋を
覗いてみようか。
それとも、
改札の中の待合室のソファーで
コーヒーでも飲もうか。
彼女はピアノの教師だった。
ずっと一緒に
この街で暮らしてゆくものと
思っていた。
でも、違った。
彼女の心の中には
生まれ育った函館の街に
どうしても戻らなくてはならない
訳があった。
「行かないで」と
言いそうになったけれど
それは言ってはいけない言葉だと
息が詰まる思いで飲み込んだ。
しばらくして彼女から
きれいな港町が水彩画で描かれた
絵葉書が届いた。
それは、
ある礼拝堂での
演奏会の案内だった。
出発まで、あとどのくらい
僕は思う。
到着まで、あともう少し
彼女が思う。
今年が5度目の
演奏会になる。
函館に到着するころは
19時を過ぎる。
向こうはもう
氷点下だろうか。

by aiotsunaide
| 2021-01-19 01:14
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