2021年 03月 09日
被災ピアノ
東日本大震災で津波の被害にあった

仙台空港のロビーに、
別の場所で津波被害を受けたピアノが
九死に一生を得て
再生した姿を
お披露目していた。

震災当時、空港ロビーには3m程の海水が押し寄せて
駐車場に止めてあった車やがれき等が
次々と入り込んできていた。
ローカルニュースでは
比較的早く空港の状況が放送されて、
携帯電話のワンセグでその映像を見たとき、
現実のものとは
到底思えなかった。
今でも当時の様子の映像に触れる機会が
何度もあるけれど
実際に起こったことだとは
受け入れることができないでいる。
報道されない震災の被害は
数えきれないほど
あちこちに散在しているし、
津波にのまれて
その姿を消さざるを得なかった
ピアノも
数多にあったに違いない。
どんなに時間が経過しても
当時感じた空虚な感覚はいつも
傍らに居る。
演奏を聴いていると、
吹き抜けの
高い天井に向けて響いた
ピアノの音色が降りてくるとき、
その音色が
全ての被災者に宛てて零れ落ちる
癒しの雫のように聴こえてくる。
渦巻く波にのまれた時に付着した
桜色の傷跡は、
全ての被災者に宛ててそっとさす
頬紅のように思えてならなかった。
気づけば演奏者は
10歳に満たないような少女だ。
「確実に時は流れている」と
気付かされる。
けして消え去ることのない
過去の記憶と対峙しながらも、
若い力に背中を押してもらったような
そんな気持ちになれた。
by aiotsunaide
| 2021-03-09 09:39
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